痰と芳香

痰を吐く口が
綺麗な言葉を出すとは思えない
汗ばむと体臭を出すからだが
よい芳香を醸すとは思えない
人間が
清濁があるという人間に共通の性質があるにしても
ここまで到達したというのを驚くなら
それはコンペティションであり
徒競走のタイム測定のようなものであり
もしもそれが史的なトラックの上でのものとしても
人間主体の考え方である
人間主体の考え方というとぴんとこないが
その人間とは自分である
自分が民主主義に関わるという確信
というよりも 言ってしまえば絶対的な事実が
人間と史的なものを結びつける
といえるのかもしれぬ
それでは
民主主義以前の場合
どうなっていたかというと
常時史的なものに結びついているとは思われず
したがってなんとか意識などというものも
考えにくい
では何があったかというと
個人の意識ではなく
共同体
地縁なり血縁なりの
共同体の意識めいたものであろう
それが
今の法人ぽかったのであり
だとすれば
今の法人というのが
奇妙に昔の法人ぽかったのと
つながっているのかもしれない