2015-01-01から1年間の記事一覧

やみがかった朝に詠む 5句

よれそれてくごうにまどふおのれの血 息するも絶え絶えなりし生きるだけ しずらかに虫に重ねる秋の息 食べるだけくるしみつのる肉の道 ヴァカンスに行く必要を認めたり

品川区

品川区は無機質な感じで 匂いを感じない 無機質な感じ 品川だからしょうがなくこうなっているというかんじ みんな熱を持ってない感じがする 空疎にして密

モンゴル民話

モンゴル民話を研究中だ 今昔物語集との関連性はあると思う 日本とモンゴルは辺境国家という共通点がある 海によって他国と隔てられているか山や砂漠によって他国と隔てられているかのちがいだ 日本相撲とモンゴル相撲が偶然の一致とは思わない 同じような力…

小学生が叫んでいたうた

♪父が梅干しに祈るときー とんぼとかえるが ガコン! けっこんしたー これの意味はいったい・・・ 梅干しとは日本のことか? とんぼとかえるとは とんぼは空を不規則に飛び回り(まるで空中をワープしているようである) かえるは規則的にぴょんぴょんとぶが…

アールブリュと素朴文学

ぼくが考える文学の純粋さは 市場におけるつくられた洗練と 相反するところがある つまり僕は 売れっ子になる宿命にない それでも僕の作品が見事ならいいのだが あまりにも見事に書くと他の作家に排斥されるであろう 作家として生活するなら 腑抜けた作品を…

そもそも文学は・・・文学と見事さ

そもそも文学は 見事さを競うものなのだろうか? 僕にはそうは思えない 文学はいまや いかに迎合されるかを競うものであるように思える 文壇村は・・・ 前ほど輝いてはいない ひっそりとしていて やや閑散とした にぎやかではない場所なのであろう そこには…

からすの死がい

高級マンションに住む同級生どうしとおぼしき女児たちが 自転車に乗って僕をとおりすぎたとき 「あのへんにからすの死がいがあったよ」 「え、ほんと?」 「うんしかも、首を横にして血をべーって吐いてた」 ということを言った 僕はそのことについて深く考…

改句

きゐぴゐとしろいつ色の空いずこ ※なぜこうしたかというと何処どこ、という漢字に対して僕の感覚が相違を示していたことをいまになって痛感したからである。何処とかいていずこ、とも読めるが・・・ そのような漢語熟語によって表現すべきものではなかった。…

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僕が退治しなければならないのはおのれの性欲である

決して他人の性欲ではない おのれの性欲を退治するには おのれに対して致命的一撃を加えるしかない しかしその一撃が性欲に根ざしていないともかぎらないのである 僕は性欲に対して懐疑的である これは僕のじゃないんだとも思う どうせほっておけば死ぬなら …

性欲の虜囚たる・・・

性欲の虜囚たる僕が はたしてその性欲を他者とシェアしないというのは 僕が他者の性欲を信じていないからにほかならない おそらく他者のそれは いくぶんかは不純なのである

そうはいっても・・・

文学においては 人格と出自はいっさい関係ないということもまた確かであり 僕は何も物怖じすることはないということも明確に意識すべきである しかしそれを実際上、物にするときには 当然人格も出自も問題になる 作家はその際はっきりと売りやすいものにへん…

アメリカ文学と絶望

アメリカ文学はどうも絶望を書かないし 書けないようである なぜかと僕は考えた そうするとこういう結論になった プラグマティズムの国であるアメリカは 絶望というものを空想的状況ととらえ それを肯んじえないのであり 著しく不利というくらいにしかとらえ…

2月の寒い日に見慣れぬとりおりて

きいぴいと白一色の空の何処

それにしてもあの目!

ストリンドベリイのあの目である あの目に睨まれて僕は怯んだ気がする そうして僕は寡作な作家になることを考えるようになった

くだらぬ作品!

くだらぬ作品を書かなければいけないこともまた確かだ!

母とちさきものたち (掌編)

その母は、冬のある日、上野の某通りの路上に横たわっていたのである。雪とも雨とも別のつかぬ、ただひたすらに冷たいものが各人に降りそそいでいたとき、それはたしかにその母にも積もっていた。母はたらちねを出し、横になるとも仰向けになるとも言えない…

福岡県というやつがてごわい

火野葦平を出すまでもなく 杉田久女を出すまでもなく 福岡県というのが 健全な精神を逆なでするようなことが得意な地域である ぼくもときどきこんつめてかんがえると 気が滅入るだけでなく いのちが消え入る気がする どうやら福岡県民はこの地域のもつ複雑さ…

辛苦

ぼくは辛苦を味わっているようである そこそこに苦しいひととおりの苦しみと そこそこに苦いひととおりのかなしさが ぼくを交互に接待している ぼくはそれらについて ひととおりの配慮と応答をし なかなかしっかりしたやりかたを身につけつつある それは生活…

アップダイク

「アップダイクは運動を書いたんだ 自分を書くというよりも自分の周りで起こる運動をね 彼は運動において同志を求める ここが非凡なところだ 日本では運動は広く共感されるという性質を持たない それは精神じみた異常行動なんだ 日本では”ふつう”の運動を生…