ぽえむ

小学生が叫んでいたうた

♪父が梅干しに祈るときー とんぼとかえるが ガコン! けっこんしたー これの意味はいったい・・・ 梅干しとは日本のことか? とんぼとかえるとは とんぼは空を不規則に飛び回り(まるで空中をワープしているようである) かえるは規則的にぴょんぴょんとぶが…

からすの死がい

高級マンションに住む同級生どうしとおぼしき女児たちが 自転車に乗って僕をとおりすぎたとき 「あのへんにからすの死がいがあったよ」 「え、ほんと?」 「うんしかも、首を横にして血をべーって吐いてた」 ということを言った 僕はそのことについて深く考…

性欲の虜囚たる・・・

性欲の虜囚たる僕が はたしてその性欲を他者とシェアしないというのは 僕が他者の性欲を信じていないからにほかならない おそらく他者のそれは いくぶんかは不純なのである

辛苦

ぼくは辛苦を味わっているようである そこそこに苦しいひととおりの苦しみと そこそこに苦いひととおりのかなしさが ぼくを交互に接待している ぼくはそれらについて ひととおりの配慮と応答をし なかなかしっかりしたやりかたを身につけつつある それは生活…

おんなにささぐ

君はあるいは裏切ったと 言えなくもないのだが 僕はそうは思えず にょしょうの赴くままのところにゆきついたと そう評さざるをえない にょしょうとは日本ではひじょうに あらがいがたいさがである ということはぼくはおもうのだが おんなおとこよりも おとこ…

ぼくはさちうす

とにかくひたすら 遠慮固辞 なぜか さちうすだからだ 少しの成功でも命取りになる ぼくには必要最小限の幸福と 誰よりも目立たないかつやく それしか容れられない ぼくはちいさないれもので ひとひとりが味わう すいやあまいやほまれそねまれは につかわしく…

性欲と国家のおこり

性欲はくだらないし女の神性を貶める かといって世の全員がいもしない女の神性を崇めていては 国家の行く先が不安である しかし人間は国家のために生きるわけではない 人間ありきであろう ところが国家は人間より先にある ゆえに国家のほうが本家本元なので…

うとうと

僕がうとうとしていると 君たちは僕を軽んじて 軽口を叩き 哄笑を返しているようだ 僕が偉大な人間かというとそうでもなく 僕はいま悩んでいるのであり 商品を生み出すかそれとも 宗教的なことがらのほうにゆくか 商品を生み出せば利害に巻き込まれ 宗教に至…

悪魔の群れ

目に見えない悪魔の群れが 僕の家に住んでいるのかもしれないのである かれらはときどき囁いてくるが 人語ではないのでなんと申しているのかよくわからぬ わからぬが恐ろしいような呪いの言である 僕はお題目を唱えたいが 所属宗教が不明なので 歯を鳴らすこ…

僕は怖いのである

なにもかも まがまがしさをもって 僕を出迎えるのである 花は恐ろしい臭気をまき散らし 光は太陽の高温を予感させて僕は茹で上がる気がする 地面は下におびただしい生物を抱えているという威力をもっていて僕はおどかされる ネルヴァルの絶望が 狂気が 僕に…

官能の海

僕の官能の海には ごつごつした岩があり 暗礁にのりあげては 苦しみのあなぼこが船に空くのである 僕はどうやら 恋愛において拙者であり 彼女たちは巧者とはいかぬまでも ぶきっちょではないのであり 世にある性交への道を 軽く渡れる者たちである 僕にはそ…

体の変調と精神の失調

僕の体はもう いよいよおかしいようだ 骨が無手勝流に組み直され血管はあべこべにバイパスされたみたいなのである 息をすれば息が止まり 歩けば足は埋もれそうになる 腹の中には無数の寄生虫がいるような気がするし 精子の一本一本にヒトラーかマリーアント…

ベアトリーチェ!

僕のベアトリーチェ! 君と過ごしてさえいれば僕はいまごろ 毎日をうれし涙で過ごしていたはずなのである 一体全体何がどう間違えば こうなるのか 僕の類まれなる個人的不運は 君の肉体が旅行に行ったことに起因している だがおそらく 社会は僕の愚図や無法…

純粋さ

僕はいつもこれ以上の純粋さを求めているが それを自己に帰属させることに違和感を大きく覚えるのである なんでこの俺が純粋でありえるのか? この陰茎のまがまがしさ! そしてこの眼球のぐるぐる動くさまよ! 手はさまざまなものを握ったりついたり撫でたり…

新都知事

新都知事の笑顔を僕は見て この人はこわもてだなあと思ったし なんだかやられそうな気もした 猪瀬さんよりはましな気がしたが 猪瀬さんのほうがましな気もした また誰が都知事になっても僕は反感を感じそうだなとも思った なんといってもおそろしい大役であ…

よそに行った君

君はいつしかよそに行って 昔なら不義理や薄情と言えたことも いまや老衰したからすの鳴き声のように 君の鼓膜には虚しく響くのだろう つまりは無関係でいれればんと 僕がそれを いんとれらんとと責めたてたとして 君は眉間をやや曇らせ あんな不愉快で未成…

思えば僕は

僕は君を女性とは考えてはいなかったのである 何か底の知れぬ反女性・反人間だと思っていたのである ところが君と呼んでいい対象は 性器やら何やらも含めて 成熟し なんらかの行為なり結果なりを 欲していたのである そこに男根を秘めた男性があらわれ 性交…

隠れた軽蔑

僕は隠れた軽蔑を見出すのが得意だが 僕がそれに怒ると 狂気の発作として処理しようとする者が多いのである そういった者たちはみなひどい目に遭ってきた

アメリカなるもの

アメリカなるものが 僕に次々に入ってくるが いっぽうで日本なるものが 僕を次々に引っ張り込んでいる 僕はアメリカでも日本でもない 理想的浄土のような所にいたいのだが 生きているうちはそれもかなわぬ ところで僕は少しは日本がわかったかもしれぬ それ…

不健全な作品

僕がいつもギモンなのは 不健全な作品が世に出て 人々のまゆをしかめさせたとして 作家のほうも死んだり頭が変になったりしているようだが 関係者全員は不幸にならず 漁夫の利を得ている人もいるのである

文学作品

文学作品というものは 必然または偶然に紡がれた言葉の羅列ないし配列であり それはあらゆる既知から構成されている構造物であり 今までの僕は文学作品は独立していて あらゆる世俗権力から逃れえていると思っていたが 最近の僕はというと なんらかの利益団…

デビュタント

僕はちょっとしたデビュタントになって やがては大成してみたくもあるが 早くも板ばさみを予感してもいるのである 十中八九僕を待ち受けているのは 成功のあとにくるであろうこれら−− 邪推(向こうからこちらに来る無数の矢のような) 誤解(こちらから向こ…

足りないもの

僕が作家になるために 足りないものがあるとして 何が足りないかというと うむそれは確かに 多くあるだろう だがいっぽうで 作家になるためのものを 持ちすぎている気もするのである 僕は得なければいけないが それ以上に捨てなければならない

際限ない後退

いったい僕は どこまで後退せねばならないのか おそらく 死によってすら 後退しきれないのである あるいは類型的狂気くらいしか 逃げ込む先はもう無い この類型的狂気というやつは 格好の逃げ場であるだけに 僕の文学上のセンシチヴを著しくきずつけるのであ…

敗北主義の極北

もし敗北主義を貫くとしたら 今生きているらしい全員に敗北するのみならず 累々たる死者および 将来における敗北主義者たちにも 勝利を収めねばならぬ

破産の作法

突き詰めれば 僕が実現したいのは 無限の破産なのかもしれぬ ところが そんなものを実現したら あまりにも目立つために 金はなだれ込まざるをえなくなるのである

引っ込め!

引っ込みがつかない引っ込み方をした僕は 行く先はもうあの世くらいしかないのである しかし僕は遅延工作をするのであり それは時間へのサボタージュである だが老いが共時をもって僕を流し込んでいくのであって これは遅延とはいえないのである この点僕は …

ほぞ

ぼくはどうやらほぞを噛まされるレールに乗ったようである ここにいたってぼくは どのほぞが珍味か知りたくもなったのである

抗えない力学

どうも 風土ということは 力学であって 文化とか 余儀とか そういうものではなく 断固とした儀礼であって それ自体禁忌でありながら行為命令でもあるようである それはひとことでいうと ぱとろないずである 人間に対してのぱとろないずである

孤独

どうもまたぞろそりちゅーどに 見舞われたようである 人が僕から逃げ 僕は人から逃げる これは離人症というか 隠棲というか なんにしろ 充電期間であることはまちがいない しかし問題は なんのために充電するかである 華々しい文豪生活が なんになるのか ぼ…