2014-03-29から1日間の記事一覧

官能の海

僕の官能の海には ごつごつした岩があり 暗礁にのりあげては 苦しみのあなぼこが船に空くのである 僕はどうやら 恋愛において拙者であり 彼女たちは巧者とはいかぬまでも ぶきっちょではないのであり 世にある性交への道を 軽く渡れる者たちである 僕にはそ…

都会について

体臭も大気も何も混ざる昼 声の波足の波間にだんごむし 街路樹に虫もなかなかいない春 春になりまた大群が押しよせる 大群と入れ替わり去るふるきもの にらむめは多忙の先か失望か 看板は朽ちかけてなおあらわせり 自信家が上は見ないで下を見る 僕が踏む前…

全体小説

いわゆるホリスティックな態度からくる小説と考えて良いのか? そのホリスティックというのが、部分の自立を理解するのかそれとも、全体を構造把握するのか。 バルザックの小説は全体小説というのはまちがいなかろう。 これは構造からせりあがるものを明らか…

全体小説を可能にするための串

野間宏がやったことは、差別による世界理解なのであり、それはひとつの全体小説実現のための串なのだが、じゃあその差別が正しく認識されているかというと、それも怪しい 奇妙奇天烈複雑怪奇なのが差別なのである 作家がはっきりわかったと言った時にはもう…

読者を大食らいと考えるか少食と考えるか

いわゆるグラトニイの問題がある 読者というものが食らいつく性悪なものたちと考えれば、あまり与えすぎてはいけない だが問題は与える与えないという立場自体であり、そこは役割がわかれているからそうなっているのだが、ではいつからわかれたのかというこ…

能楽の成功の鍵は過去の文学上のキートピックをさらったところにある?

いわゆる総合をやったのである この総合は学術的ではなくむしろ職人的総合であろう こういうことがありましたよねご存じですよね、という凄みがあるのである 学者は素人にご存知かどうか聞いたりはしない ひとつの権威主義ではある なぜなら完全に創作すると…

要素のひとつによって世界が崩壊するかどうかということ

要素がひとつ偶然にも破壊力を持つかということである 現実上では放射性物質というものは内なる破壊力を秘めていたりするらしい 日本語においてはどうか 僕はすべて等価で平等だと思っている なぜ日本語においてののしり言葉が発達しないかというと、50音…

日本語単独では破壊力を持ち得ないから

だから外国文学なり外国語精神を導入してかろうじて破壊力を持ち得たとも言いうる 日本語単独はどうにも小説ができないのである 小説を実現させるための基礎がないのである

全体に対する理解

これが全体か、これで全体か どちらもできないとだめであろう 目を細めながら目を開かなければいけない 人間にはどうしても要素主義が楽であろう ホリズムというのが神様的な理解である ギリシャにおける哲人が理想とした理解形式なのであろう