際限ない後退

いったい僕は
どこまで後退せねばならないのか
おそらく
死によってすら
後退しきれないのである
あるいは類型的狂気くらいしか
逃げ込む先はもう無い
この類型的狂気というやつは
格好の逃げ場であるだけに
僕の文学上のセンシチヴを著しくきずつけるのである
僕は安易に狂気に逃げ出してはならぬ
しかし狂気を内包せねばならんこともまた確かである
つまり僕は
こんな生活では駄目である
しかし駄目にはならねばならんのである