僕は怖いのである

なにもかも
まがまがしさをもって
僕を出迎えるのである
花は恐ろしい臭気をまき散らし
光は太陽の高温を予感させて僕は茹で上がる気がする
地面は下におびただしい生物を抱えているという威力をもっていて僕はおどかされる
ネルヴァルの絶望が
狂気が
僕に乗り移ったかのようである
ただし僕はネルヴァルよりはいささか陽気であろう
しかしその陽気さが
単なる知能不足ゆえのような気がして
僕は少しはがゆい
しかし僕にもひとつくらい
ネルヴァルより勝るところもあるはずである
・・・プーシキンは刺されて死んだ!