common law ということ

コモンローという本を古本屋で買ってきた。
アメリカの最高裁判所(すーぷりーむこーと)の元裁判官が1890年くらいに書いた本で、アメリカの法学講義で70年くらいずっと使われてきた本らしい。1958年に発売された本である。
コモンローとは何か?
少し調べたらイギリスの考え方で、伝統や慣習を大事にする法概念ということだ。
これはつまり、歴史的な経緯を大事にするということだろう。
コモンローはもちろん成文ではない。
そもそも成文というのが、現在のことばで書かれたもので、現在のことばで書かれただけで伝統性は薄れるのではないか。また、一度成文にすれば、改訂するのは容易であり、伝統性は次から次に失われかねない。

アメリカはさほど歴史がない。
にもかかわらず、コモンローということを1890年ごろ言っていた。
英語だから少し解釈に戸惑うところもあるが、最初のところを精読した結果、experienceということに重きを置いてアメリカのコモンローを定立させようというのが著者の狙いらしい。
経験ということを、アメリカ人はよく言うようだ。だが、歴史とはさほど言わないように思う。いっぽうイギリスの経験はどうも歴史の意味に近い。アメリカの経験にはさほど歴史の意味合いはないと思う。むしろアメリカの経験は、個人の経験という面が強いのではないか。
(経験主義とかそういう哲学的なことはよく知らないのでわからない)
この本の中では、ルソーやロックなどおなじみの有名人のことも解説しているようでなかなか面白そうである。