総合知識

僕に総合的知識がないのである
手探り状態であなぐらを這い回るだけのような日々
砂を噛むような日々
しかも砂を砂ともわからぬようなまいにちである
砂を噛んでいると思っていた私の噛んでいたのは少し違う砂なのかもしれないし
砂なき砂なのかもしれない
そう考えると
砂の女」というタイトルの秀逸性がわかるが
いっぽうで
誰かの入れ知恵なんじゃないのかと疑いもする
入れ知恵はいびつなので
比較的わかりやすいのだ
だがこうとも考えられる
わたしの勘繰りをこえた作家がこの世にはいるのかもしれないのだと
わたしは自分の無能と非才に
ほとんど絶望している
不思議なのが
絶望と脆弱性
同一線上にふたつ近い位置にあるようなのだ
絶望から反転して強い力が生まれればよいが
そうはならぬ
なぜか?
ハングリー精神が足りないのか?
だとすれば・・・
貧しく謙虚に
坦懐にならねばならぬ・・・
加齢によって
横着になるのではなくむしろ
純粋にならねばならぬ!