あめんぼ虫がこんくりの上で
長い足をぷるぷるさせて
動きたげなその横に
くろ虫が少しずつ歩いていて
その周りには
小さい大小の石がころがっていた
ぼくはいっしょうけんめい
あめんぼ虫とくろ虫に目をとめていて
あまりにもよりめになったので
顔が横に伸びそうであった
すると
あめんぼ虫が動いた
僕は顔を真ん中に寄せて
見とどけたことをほこらしげに思ったが
そのあいだに
くろ虫が消えていた
くろ虫をさがそうとおもって
石のあたりを首をあちこちに動かしてみたのだが
もうどこにも見えなかった
くろ虫は
じりおんの間にかくれたのだ