文芸の芸は何の芸か?

どうも工芸の意味が強いように思う
芸術の芸というだけではない
工芸というと、伝統的なものということだというふうに考えられていると思う
言葉の問題でいくと、文学者とは言うが、文芸者とは言わない
文芸人とも言わない
工芸人とも、工芸者とも言わない
工芸は、誰かがやるものではない
そこには職人性があり、職人性には限定的匿名性のようなものがある
本当の匿名性を実現するためには、所属集団から始まって最後は所属国家まで匿名化しないといけないと思う(英語という言語が共通言語になるとすると、匿名性を与えてくれるようになる。そうなるとすると英語が共通言語になっていけばいくほど英語の正しさが増していくということになるのかもしれない)
誰かを名職人と言うことがあるだろうか? そうは言わない。名工または名人、と言うのである。
名を上げる(distinguish oneself)ということではなくて、その芸の名を上げる、ということがある
その芸の名を上げるため、ということを掲げて、無茶なことを推し進めたりもたまにするようである
独立系の工芸職人、というのはありえないわけである
その工芸の職人はそもそもその工芸からは離れられないし、新しく伝統工芸を創設することはできないわけである
工芸職人をやるのであれば、先達に弟子入りするしか道はない
いっぽう西洋では、芸術家といえばある程度は独立していないと変だ、という感覚があるようである
また、西洋では、一代限りの才を割と受け入れる土壌がある
日本にいる現代芸術家の中には、今は資本主義だから、というようなことを踏まえて、うまくやる、ということによって問題を解決している人もいるようだ