本への疑惑

本が信用できなくなってきた
出版社に勤めている人間を見ると
誠実からは程遠い人間が多い
隠し事をする
隠され事をする
どうしたものか
そもそもは
人を信じることが最初にあった
それがどういうわけか
近代の初段階から
本を信じことが先に来た
なぜ本は信じるに足るか
本そのものが信じるに足るものではない
内容が問題ではない
過程が問題なのではないか
本というものが
ひとつの近代的総合のあらわれである
なので
信じるべきとされる
ならば
本を信じることは
近代信奉の一形態である