社会主義は芸術を軽視しているのか?

社会主義者は、およそ、芸術の前に労働をもってきている
労働によって自己実現するという考えは、ヘーゲルが最初に考えついたらしい
その後、工業の発展により、抽象的概念的だった芸術がだんだん資本主義上の労働にすり替わっていったようだ
それからマルクスが自然的労働を言い出して、マルクスが理解できるほどには心ある人たちは、マルクス主義に走ったのである
しかし、現実実際上には、マルクス主義ボルシェヴィキに結実したのであり、ボルシェヴィキは資本主義への対抗策としての高度な中央集権と官僚制を敷いたようである。
マルクス主義が本当の理想主義なのであれば、そのような苛烈な対抗策を取らずとも、おのずと世界中の人々がマルクス主義に傾くはずであり、そうならないのはマルクス主義において何か致命的におかしいところがあるということかもしれぬ。
芸術という面から考えると、いわゆる主義者の成立や発展の過程においてどの場面においても、芸術は影をひそめているのである。
どうも、主義者のなす政体においてはこういうことがありそうである。
芸術はすべてプロパガンダにならねばならず、芸術自体のための芸術がよしとされない。
そこには何が潜んでいるかというと、貢献ということである。
政体に貢献しなければ、成り立つことが許されない。