結局かれらはこう言うだろう

商品化と芸術性のバランスをうまく実現しているのがいまの文学の現実的世界であると
ところが老人たちはあまりの質の低下に泡を吹くわけである
そんなものでいいはずがないと思うわけである
だが技術革新は昔よりずっとましなのである
ということは技術革新の足をあらゆる面で引っ張らないような文学でないといけないということである
そうなると現実政治や現実社会に関わる文学はだめだということになる
それは足を引っ張るに決まっている
となると、性交やわけのわからぬファンタジー世界の話を書かないといけなくなり、しかも商品化も実現しないといけなくなる
となると、とにかくも作家は個人としての自覚というよりも触媒や媒介としてのおのれを自覚するようになるのであり、我こそはというよりも、我が一番手際よく、つるつる滑るものになろうとするわけであり、それは巷で言われるようなフラットいう意味のありようである平たいというよりもすべすべなのである
ぼくがいつも言っている臭気の除去の原因はおそらくここにある
触媒が臭気を持つはずがないわけである
臭気は常に読者に押し付けられるわけである