作家として生涯全うすることは難しい

太平洋戦争をまたいだ作家は誰も筋を通せなかった
太平洋戦争でいちど死んだも同じだったのである
そう考えると、高村光太郎が田舎に引っ込んだのは反省したということではなく、死んだはずの生を拾ったのだからそれにふさわしい土地を探したというとらえかたもできる
今の作家は、戦後の泰平のなかで生涯を作家として全うすることも可能である
過激な作風だとしても、現実の行動としては穏やかなものである
根本的な作風、精神の根幹は維持なのであり保守なのである
彼らがたまにやるセンセーショナルな行動といったら自殺か性交沙汰くらいのことが関の山で、それすら昨今まれである