文学を突き詰めようとしたら

僕が僕の立場で文学を突き詰めようとしたら
死への分岐が多すぎるのである
したがって僕は
もう死んだものとして取り扱わられねばならないそうだ
しかしそうなると
僕が能らしきものをパクったように思われるのである
そうではなくて
偶然のコインシデントなのであって
僕は詐欺師でもなんでもないのであり
良識ある一市民である
ところで文学はどこかで文学追求者を
一市民ではなくて
一人だけ市民ではない者にならずにはおかせないところがある
それこそ
文学の暴力である
しかしこの暴力は
あまりにも少数の者にしか作用しないので
ひょっとすると何もないかのように思われるのである
僕が日々文学の容赦無い攻撃にさらされても
あるいは誰も気にもせず
日々の生活を送っているのであろう
そうなると驚くべき
同時代性ということが逆説的に出てくる
そして
なぜ僕が生きているのかということが
半ば呆れ半ば驚嘆をもって
無視されるかもしれないのである
となると僕は
孤立もやむをえんのかもしれぬ
あるいは孤独死
では友人なり友物を求めるかというと
僕の要求が高く
なかなか適合することがないのもまた確かである