ひよこさそじ

ぼくは三十路(さそじ)であり
ほとんど未経験のひよこである
若くないひよこだ
動きは悪い
歯切れもよくない
ぴーを言う前にちくをいうような有様である
足ものろい
僕は自己憐憫なんかではなく
単純に自分の低質を認める
なにしろ
機能停止はしょっちゅうであり
特に理由もなく
立ち尽くすこともしばしばだ
そして僕は
そのようであったといわれる
ソクラテス
準じて見られようという
ぼく自身の分不相応なあさましさを
自覚してもいる
しかもその自覚が
いわゆる自家撞着
いやそれにいたるまえの
自意識過剰という
少年特有の症例ということも
認めてもいる
僕は
幼稚だ・・・