0.2票問題

一人につき1票という原則が大事だとして、
住所により票の重みの格差が出てくる問題を是正しようと述べている意見広告を見た。
これは自民党時代には起こらなかった議論だと思う。
なぜなら大部分の自民党の議員は地元に基盤をもって、そのうえで連続当選することが重要と考えており、
票の重みが住所によって差があるほうが好ましいと考えていただろうからだ。
今回民主党政権になってそのような思惑を表立って出しにくいことになり、無言の圧力がかかりにくくなったので、その間隙を縫って、
こういう意見広告が出てくるようになったのだと思われる。
意見広告では、アメリ最高裁では0.9くらいでも一票の格差があれば違憲審査で違憲になったということが紹介されていた。
日本では、衆議院選挙では3倍、参議院選挙では6倍くらいまでは許容されていたと記憶している。
もしも、本当に一人一票ということになれば、過疎地の小選挙区から選出される議員の数は必然的に減少することになるだろう。
そうなると熾烈な争いになって、来期に当選しないおそれがある議員が多数出てくる。
そもそも、代表制民主主義というのは、国民を代表しているというだけでもないという気がする。
地域国民を代表しているのが日本の代表制民主主義ではないだろうか。
地域住民ということだけではなく、地域国民というところが日本では重要になってくるのだ。