アニメでなぜ恋愛が描かれるのか

性欲をオブラートに包んだような淡い恋愛が描かれるアニメが多い
これはなぜか?
本来、日本には恋愛文化というのはほとんどなかったはずである。
性愛はムラに囲われていたのだと思われる。
現代においても、まっとうな恋愛が行われているとは判断しにくいものも多い。
現代においても、恋愛はどこかで囲われ、空費させられる感じを受けるのである。
それでアニメの恋愛なのだが、これはどうも、エンターテイメントといえば通りはいいが、裏の機能として、構造補強があるように思う。
脱構造という方向性ではないのだ。
ぬるめのお湯につからせるという役目なのである。
江戸時代の娯楽に似ているかもしれぬ。
軽いタッチのラブコメディーにしつつ、ファンタジーも混ぜるというのがアニメでの恋愛の典型的例だと思うが、
これにより止揚することはあまり目指されていないのである。
すなわち、アニメというのは逃避ないし遊戯という性格が強い。
対峙しに向かうというより、隠棲するほうの方向付けである。