脱さねば

脱というのを
ある思想家が喧伝しているようだが
いまいちその概念をつかみかねる
脱税ということばにあらわれるように
基本的には
脱はいいものではない
脱穀といっても
しょうもないものを引き剥がすという意味で
よくないものに作用する
脱とは
よくないことをするか
よくないものに作用するか
かもしれぬ
すこし集めてみる
脱稿
脱腸
脱肛
脱税
脱藩
脱力
脱糞
興味深いのは、脱がつくことばは、人に内包もしくは人を外包するものが
脱の後ろについて構成されるのである
たとえばこれはどうか? ないパターンである
脱血
血は内包するとは考えられておらず、
よそよそしく出ていくのである
入り鉄砲に出女、から考えると、入稿出稿でなければいけないのだが・・・
原稿が人の内包する任務ということになっているから脱になるのだろうか
だとすれば、原稿はいのちを生み出すのに等しい
しかし生み出したいのちを売りに出すとすればそれは人身売買になるのではないか
だが売ることなしに市場や会社がまわることはないのだ
つまらない考察をしてしまったようだ
ひとつまとめるとしたら、脱は身体論的な言葉であるようだ
眠りにつくことにしよう