原発に捧げる歌

いったいどうしちゃったんだと
同級生のような顔をして聞いてみたい
性病を振りまくような
そんな子ではなかったはずだ
よほど悪い大人にだまされたか
親の折檻に耐えかねたか
とにかく原発
途方もない不良になった
以前の愛想と愛嬌のかわりに
四方八方に風評を振りまいて
しかもやめる気はないらしい
妙なふうにあつあつらしいのである
そこを最新の科学技術の力で
ぴしゃっと抑え込んで
自然を震え上がらせたいが
しかしよく考えたら
科学とは反自然というわけではないのであり
そうすると
科学は決して反抗的態度から来るわけでもなく
そこから克己が生まれるような話でもなかろう

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無宗教国家のほうが
妙な宗教的先入観がないわけであるから
科学が先に進む可能性のほうが高いはずなのである
しかし
無宗教国家と有宗教国家が並立していて
科学において互いに相争った場合
どういうわけか無宗教国家が有宗教国家に圧倒的に先んじて抜き去るということは
ほとんどないようだし
一時的に先んじたとしても
あとあと有宗教国家に追い抜かれてしまうようである
どうも飛躍にも聞こえるが
有宗教ということと資本主義ということは
二つ一緒ではじめてうまく機能することのようにも思える