勝ち馬に乗る、という表現

英語で、the horse to bet on (賭けるべき馬)という表現がある。
日本において、動物を競わせて賭けをやる、ということは古代にあったのかどうか。
そもそも古代日本には、賭けというものはなかったのかもしれぬ。
歌会とかでいい歌を発表したら褒美があったりしたみたいだが、それは賭けではない。
たとえば、歌の出来に応じて自分で賭け金を決めて、下馬評があったりオッズが決められたり、はしたことがなさそうである。
だが、貴族の間では賭け事はなかったにしても、江戸時代後期ぐらいから町民の中で博徒が目立ってきて、明治時代になってくると相当賭け事が発達したようなのだ。
だけどこれは、改易や転封があったときに多数の浪人がでてきて、それが博徒になったのかもしれぬ。
賭場の場所で言うと、どうも、江戸のど真ん中よりは郊外や地方に賭場があったようにも思える。
そうなると、江戸時代の都市というのは、すべてを備えるものであるというより、衛星都市との間で分業があったのかもしれぬ。
関所を越えてまた同じものがあるというより、関所を越えたら別世界、ということがあれば旅は楽しいのかも。

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日本の現代における賭博罪に関する法律では、偶然のなんたらによってお金を得ることはだめ、と書いてあった気がする。
ということは、必然的にお金を儲けたらそれはオッケーと言っているようにも聞こえる。
そうなると、必然性を主張する者同士の競争になる。
よく考えると、たとえば、談合は必然である。偶然の談合は、談合にならぬ。