嘘をつくのは別にいい

作家だけが嘘をついてはいけないというわけではないから
ただ嘘をついたぶんだけとはいわないが、いくらかはついた嘘の埋め合わせをするために何か善行をしないといけないはずである
ほとんどの作家は善行をせず、ただ漫然と書きものをやり、そのあとは他者に読むことを強いている
実は、善行をしなければいけないとすら思っていないのではないか
作家は自分の仕事をすればいいと思っており、それは書くことであり、業界に貢献することなのだと思い込んでいる節がある
作家は、そのような普通の責任や義務をまっとうすばよいのではなく、誰よりも苦しまねばならぬはずである
では誰よりも苦しんだ結果、作家が自殺すればいいのかというと、それもまたどうかと思う