作家に対するギモン

漱石文学の野望が少しわかった

文学の固定化、漱石文学を唯一の正統文学にしようという企みである。 その際に周囲の作家を論破するという方法をとらずに、無視するという方法をとったのであろう。 ひとつ気になるのは、国家文学にしようとはしなかったということである。 なぜなら国家は破…

やっぱり正岡子規はすごいな

病床に臥せっているのに文学活動ができるのはすごい ぼくの場合少しでも体調が悪くなるともうだめである 暗い気分に支配されてすっかりぐったりとなって、 頭の中が野良犬大になるのである

おそらく作家はさほど深く考えてはいないのである

たまたまうまく行ったから それで一生作家をやりおおせたいという作家の方が圧倒的に多いことに ぼくは気づいたのである かれらには人の何倍もあるような懊悩や苦悩や苦難はなく スムースに作家業をやれているのである つまり彼らは何か自分よりも重いものを…

高村光太郎が岩手県花巻市の山奥に晩年引っ込んで贖罪したと言ってる人が多いが

よう考えたらこれは山林修行という意味があったのかもしれない 晩年に山林修行して何の意味があるのかはわからんが、そんな気がする

『草枕』における鈍感さ

どうしても僕が気になるのは 『草枕』において主人公の口から語られる文化上の「正しい」知識が 現実に即応するというよりも 鈍感さからくる強引なあてはめによって現実を誤認識するほうに働いているように思えるからである 『草枕』が一流の作品になるため…

漱石は漱石のわかる程度にしかわからない

おのれを限界にしているわけである おそらく漱石は 他者を一人も理解しないでこの世を去った 理解はしないが人物の解剖ごっこは熱心にやったのである 漱石が主題に選んだ高等遊民も 消去法によって出てきたに過ぎない 腑分けもどきの最後に余ったから取り上…

漱石作品における看護婦

漱石作品中の看護婦は、僕が今まで読んできた中では、いささか生意気なモガとして描かれている ここで注目すべきなのは、宗教病院が出てこないことである 外国文学においては、セイントなになに病院というのがよくある 漱石作品における病院は、宗教立のもの…

漱石作品で描かれている主題は受動攻撃性ではないのか?

状況的インテリのパッシヴアグレッションである

漱石小説における悩みの特徴

思想上の難題にとりつかれているような登場人物を描くものの、その難題はただの不器用ないしは要領の悪さからくるものであったりする 明治時代にはちらほらいたであろう、西洋思想家にかぶれる人物というのは漱石作品には出てこない あくまで、彼らは西洋思…

漱石小説における詩の位置づけ

古代東洋的な詩の意味のときと、近代西洋的な詩の意味のときが混同することがよくある おそらく、読者がわかってないだろうからとついついやってしまったのだろう ところが、作家の甘えや手抜きは、後で必ず明らかになる 詩を扱うときは、自作の詩か、引用詩…

成功作家とカミュ

カミュはサルトルに論駁されて、大変困ったわけである 孤立が交通事故死を招いたと考えてもあながち間違いでもなかろう 成功者は、成功を長期間味わいたいという気持ちからつまらぬ偶発事による死を極端に恐れるため、事故死ということは蓋然性が小さくなる…

漱石の胃炎に対するギモン

心がやられて胃に行ったのか ただの胃弱人だったのか 世界の大文豪を見ると書けば書くほど精力的になっている 漱石が、書けば書くほど衰弱していったとすれば、その文学がfalseだと自分で気づいていたからではないのか

そんなになるまで、命が危うくなるほど悩む江戸っ子が一人もいるわけがない

ところが文学作品上にはいるのである それでちょっと面白みがでる

漱石と家族

漱石の書く家族は、ほとんどが貴族的な暮らしをしていて、どこかで思い当たるなーと思っていたが、どうもイギリス文学における貴族とだいぶ似ているのである。それも、おそらく500年とは続いていない、もしかしたら100年も続いていない新興イギリス貴…

漱石文学における猥語

旨い、食う、というような猥語を当たり前のように使うくせに、性に関わることに関しては厳粛になってごまかしてうやむやにする。 性に関わることに関しては婉曲語すら使わないのである。 そのくせ性は大問題だなどと言ったりする。 自発的に性は大問題だと思…

漱石作品に通底するとおもわれることその1:仮想近代

日本近代がここまで後退したらこれくらいは悩むだろう、というくらいの人間を書いてしまいにしたと言える。 漱石が詳しく事実を調べて縷縷正しい事柄を並べたとしても、最終的には仮想近代を書いてるようにも見える。 実際は大戦争というところまでいったの…

漱石が気にする胃病と性

性にこだわる割には癇癪を気にして分析することはしない漱石(癇癪の原因は性にあると考えられるのに性と癇癪を結びつけて考えない) 胃病を気にする割には天ぷらを食べ続ける漱石(熱いお湯に好きこのんで入る江戸っ子気質を発揮したかったのだろうか。しか…

夏目漱石に対する二流疑惑

僕はどうしても、夏目漱石が日本の戦争行為を止められなかったことに対してギモンを抱くのである。 天才作家なら、なんらかの手によって少なくとも日本が戦争にまっしぐらに突き進んでいくようになる萌芽を抑えることができたはずである。 それがなんにもな…

夏目漱石の異常な自己愛についていけない

自己への分析や内省のふりをした自己への陶酔や弁護が多すぎるのだ

夏目漱石の自己愛の何がいやかって

自己愛の中道を行っていることである

漱石が漢文に詳しいというのになぜ中国の近代化に思いを来さなかったのか

それこそ夢にも思ってなかったようにも見える これが不思議である ただ、こうは言えそうである 中国が近代化したら知の体系がごちゃごちゃになるから考えたくもない 知恵がある人は整理整頓したい欲求が強いので、今の整然とした体系が崩れることを想像もし…

ほとんどの明治大正期の日本の近代作家が日本近代LDのようである

そのくせ、後出しじゃんけんは必死にやる そして勝ちを拾おうとする・・・ むしろ負け続ける作家がいなければいけないのだろうか? しかし負け続けることは勝ち続けること並かそれ以上に嫌味である。

夏目漱石はほんの少しも日本を善導しなかった

この点から、僕はどうしても彼を信用出来ない 作家としてはある程度は認めるが、人間としては全く信用出来ない

夏目漱石によって可能性が開くか閉じるかでいくと

可能性を閉じる方向になってしまっていたと思う 黎明期に名作を書き逃げしたという気がしてしまう 彼は長く生きて戦争まで経験するべきだった 戦争を経験せずに死んだのは漱石の怠慢であるという気さえする

某女流作家の評伝に変なところあり

その人物の出自に関するところで、ほとんど関係がないところで、抽象的被差別をにおわすものとして熊襲を持ち出していた。 うまくごまかしたわけである。 本来ジャーナリストなら、曽祖父のそのまた先の先まで引っ張りだして差別の根源まで至ろうと努力しな…

漱石には文学者(あるいは作家)特有の才能があったのかどうか

はなはだ怪しい 別に作家でなくても良かった気がする 官僚にも成り得た人が作家になった だから官僚並かそれ以上の待遇を要求したのではないか フランスにおけるユーゴーのような人道主義は漱石にはない あるとすれば、自称江戸っ子流の事なかれ主義 危険な…

漱石の問題点

性交や肉体的運動について、自分はまっとうにやりおおせているという自信がみなぎっているらしいのが不思議である そういう意味ではマッチョ小説 実はそうじゃなくて精神も肉体と同列に考えており、精神が抜群だから肉体を補っていると考えていたのかもしれ…

漱石の問題点 労働について

労働を描いたところがあるにはあるが、どれもとんでもないリアリティーのなさである 漱石自身の肉体ほどの貧弱さである 労働軽視という考えがあったのだろう なぜそのようでいて安寧としていられたかというと、漱石は国家の圧倒的規模と、国家が要求する圧倒…

平塚らいてうの才能

どうやら、人を取り立てる才能があったようである 名伯楽というやつだ 本人にはほとんど才能がなく、男を見る目もさほどないんだが、 同性を見る目に鋭いものがある 伊藤野枝を取り立てた功績は大きい ただ、名家の女性というのが、人が苦境に立っているとい…

夏目漱石が敷いた陣は

拝金の陣なのだ あさましい姿勢とは言えないのだろうか 夏目漱石は金に対して官僚並ほどまでには貪欲なのだ 新聞社から金をもらって小説を書くということは、純粋小説というより商品小説を書くということである。まあ初期新聞小説は看板小説といったほうがい…