いじめアンケートなるもの

いじめアンケートにおいて
一番気になるのは
少なくない数の者が
いじめに少なからず加担していたはずなのに
誰一人として
「私もいじめに関わっておりました。申し訳ありません」ということを
言い出さないということである。
結局のところ、状況は、いじめっこたちが引き起こした特別な状況から
元の状況に戻る
構造がどうなったかをみると、反動的に引き締まる
警察がしゃしゃり出て、采配を取ったりする
本来なら、哲学者や文学者が出てきて、意見を述べないとおかしい
それをやる人物がいない
主要な人物は
みんな逃げたようである
なぜそうかというと、哲学者や文学者は、
厄介な問題には関わりたくないのであり
その厄介さに対する
知恵が備わっているからであろう
今回のことでは
いじめっこを3人ほど引っ張りあげて
やっぱり悪者は悪者だったとなり
厄介事をよそにやって解決となるだろう
そしていじめに関わっていたであろう中間層はいつまでも反省しないということになる
いったい日本の中間層は
いつでも責任から逃れたがる
日本の中間層は
少なくとも時々は
悪のホットベッドになっているようなのである
ところで現状はというと
日本では中間層がごっそり削げ落ちていって
下層が急拡大している
この下層を反映した文化が
現代日本にはほとんどない
僕が現代日本に感じている違和感はこれである
サンドイッチ構造によって
上(といっても自称中間層よりちょっとだけ上)と下(どちらかというと歴史的位置づけからあえて下部に行こうとする者たち)で挟み込んで中間層を黙らせることには成功したものの
肝心の中間層がごっそり減っているわけである
これでは前ほどはうまく機能しないのだ
したがって取るべき道は2つあり
中間層を大復活させるか
それをさっぱりあきらめて
下層を切り捨てて中間層の延命を図るかである
歴史的に言って下層が大がかりな反乱を起こしたことはないのであり
ガス抜きは一応たくさんあるので
どこかでガスは抜かれてしかるべきなのである
ということは
ガスを濃縮せねばならん

ひねくれ者が考えても不思議はない