作家の文章引用ギモン

『草枕』

ただの人が作った人の世が住みにくいからとて、越す国はあるまい。あれば人でなしの国へ行くばかりだ。人でなしの国は人の世よりもなお住みにくかろう。 :この文章に「鬼畜米英」の萌芽がある。外国には人がいないという決め付けである。人がいないところを…

大つなみ

「世界の国々の興亡の前には一つの国の詩人や文学者の思ひ出もむろん消えぎえになつて、そのあひだにわが日本は大つなみに国ぜんたいを洗ひ流されてゐたのであつた」 天災意識。 驚くべきcomplacent(無関心)である。 当事者意識がまるでない。 女であるこ…

仕事と労働

1:ケルト文学復興に燃えた彼等の夢と熱とがすこしでも私たちに与へられるならば、そしてみんなが各自に紙一枚ほどの仕事でもすることが出来たならばとおほけなくも思ふのである。 2:世は裕かで、貴族でもない労働者でもない中流階級の私たちは、帝劇に梅…