『メタボラ』について

私は文庫化するまで読まないけど、おそらく、ホモソーシャルダイアログの話であろう。
ホモソーシャルなんだけどふたりだけというのが面白いところ。
だが、ふたりだけというところに、それぞれの人物に様々な人間を凝縮させているところが面白いのではないか。
つまり、広義の霊の総体同士による対話なのである。
こうなると能のようになっているが、能を完全に乗り越える近代小説というのも必要ではないか。
ヒストリックを超克した文学というのも、社会がそうならないにしても、あってよい。
なんでもヒストリックに回収されるというのはよくない。
まあそれはともかくとして、無人島文学というのが、日本ではどこかしら遠流文学にかわるのかな。
遠流というのが、決して国外追放にはならないところが日本の非越境性のあらわれである。