信じること

僕はかなりいろいろなことを
非効率的にも
けなげにも
あまつさえ
そぞろに
自分かわいさのために
憐憫のために
奥ゆかしさを自覚するために
淡い期待をするために
むずがるために
涙をためるために
時間を費やすために
むせかえるために
諦念をゆるがせないものにするために
親を愛するために
世間を知るために
嘲笑されるために
・・・
信じている
そして
裏切られる
裏切られなかったことは
ここ二十年で
ない
二十年より前には
僕は裏切られたことを気づいてあげられなかった
信じることで裏切られることができる
それが信じる効能である
裏切られることを裏切られることはできない
そう信じている