気に入らないところシリーズ その1「体制の牙」

誰かが文学作品を発表したとして
それが使えるものであれば
すぐに体制の牙が食い込み
文学は毒されてしまう
では体制の牙が刺さらない文学はあるかというと
ヒッピー文学
ビートニク
ケルアック
アメリ現代文学である
それをアメリカ人がアメリカでやるならばいい
それを日本人ないしあやしい人が日本向きに加工して輸入するのは
輸入業者である
業者さんである
日本でやるならば
ケルアックをやろうとした人間が
死なねばならない
日本文学はそれくらい
死を要求する
死神である
だから叩かねばならん
しかし僕は叩きたくはないわけである
なぜなら
いきが悪い
いきが悪い魚を叩いても
しょうがない
メリットがない
だからまずはやる気を出させて
そのうえで叩かないといけない
ところが
日本文学におけるやる気というのが
構造上出せるような性質のものではないのである
だから放っておくよりほかはなくなる
だがそうなると
不作為犯になる気がしてくる