夏目漱石の江戸っ子意識には辟易するんだが

文学上の立つべき民衆地点というのが明治時代にあるとすれば、江戸っ子しかないわけだし、そういう意味ではあってしかるべき立脚点ではあろう。
しかし、それはやがて乗り越えらるべきものであり、いつまでも漱石の作品群に手を合わせていてはいけない。
当時としてはよくやったという点と、全歴史から見てどの程度やっていたかという点は区別して考えないといけない。
世界文学史を見れば、漱石が極めて優れているとは思えない部分も多いようなのである。