病床

ぼくが病床にふせってから
もう五日にもなるが
その間
肉体の苦しみというものを存分に味わった
このような苦しみを我慢している人間たちは
やはり尊い
なぜなら動物たちは
苦しくても必ず直ぐに忘れるためにまた苦しさを迎えられるが
人間は苦しさを記憶し
しかもまたその苦しさがまたぞろ来ることが
簡単に予測できるのであるにもかかわらず
まったく辛抱強くそれらに耐えているのであるから
ぼくはともすればもう
この苦しみをどうにかして断ちたいという
気持ちにもなる