身体障害者を用いて物語に強度を出す

「パラーシカという肥っちょの痘痕づらの洗濯娘と、ア

クーリカという片眼の牛飼い女とが、或る日のこと申

し合わせて、手に手をとって母の足もとに跪き、飛ん

だことをしましたと詫び入りながら、彼女たちの初心

につけ込んで誘惑した先生モッスーのことを、泣きの

涙で訴えた」

こうすると、物語がとても引き締まる。
これが普通の農家の娘なら、ああそうだろうなと読者が思う。
予想通りということになる。
障害というものが非常に作者からすると利用しやすく効果大なのである。
Mの場合は、彼は賢いので、分類不能な障害者をもってくる。
そして彼は、その障害を得た契機をちらちらと出したりひっこめたりほのめかすことまでする。
ここを僕ならどうする?
淡く描くべきか、それともまったく描かないか。
まったく障害を描かないのだとすればそれはもう観念界を描く小説になるだろう
身体性がなくなる
あるいは健常者だけの世界