古文ギモン

源氏物語を読んでのギモン点その1 あいまい化について (桐壺を読んで 1)

この御方の御諌めをのみぞ、なほわづらはしう心苦しう 思ひきこえさせたまひける。 ・「のみぞ」と言いながら、限定ではない。それだけを対象に何かをする、のではない。何かを他のにもしているが、それについて特にするということ。「チョコだけ買う」と現…

御とお

御もてなし おもてなし これがどう違うのか 御もてなし、は帝がやること おもてなし、はサービス産業に従事する人やパーティー主催者などがやること。 御もてなし、というのが、現代になると、おもてなし、となったのは少し変だ。 もてはやされる、というの…

「ひが」と「びか」

「ひが」、というのは悪い意味で普通じゃないということ。 「びか」、というのは尾を引くということ。 「ひがびかし」、という言葉があってもよさそうだが、ない。 で、よく考えてみると、悪い意味の言葉には修飾がつきにくい。 いとひがなり、というのは考…

「ゆほびか」

「ゆほびか」から、ゆったり、おおらか、という形容詞が派生したんじゃないかという気がする。 「ゆほびか」を現代語で訳すというのは、元に回帰するということになる。 しかし、「ゆったりしておおらかだ」と訳すと、一語一対応の原則に反することになる。 …

を、の用法

「ししこらかしつる時はうたてはべるを、とくこそ試みさせたまはめ」 この時の「を」は、ご注進の「を」だ。 注進というのが注進になったら露骨になる。それに、注進されたことがはっきりしてしまう。 それをあいまい化するために、仮定+「を」+進言、とい…

聞こゆ、の意味

これを現代語訳すると、「申し上げる」になるらしい。 しかし、ことば本来の意味からすれば「(貴族が)聞いた」というだけだ。 おそらく、動作の主体が常に貴族だから、誰からが何かを貴族に話しても、その誰かに中心化されてものごとはとらえられない。 貴…

かしこき行者

賢、畏 偉大な行者、優れた行者・・・ うーん 訳し方が難しい。 かしこき、というのがある集団の中で目立つほど何かが違う、ということなのかな。 そして集団というのは、その集団を名づけた段階でやることは決まっているということの場合が多いから、行者と…