ふまれて蹴った

電車で酔った女が
僕の足を踏んだ
そこで僕は
きっかり五分後に
その女のヒールの裏を
軽く蹴ってみた
女は何事もなかったかのように
友人と話を続けていたので
ぼくは安心した
実は 頭を叩こうとしたのだが
それはまずいと思って
軽く蹴る作戦に変えたのだ
こういうことをするのも
東京の空気が悪いせいだ
だが
田舎の空気はもっと悪い
ぼくは郷土愛というより
郷土恐をもっているので
まだ東京のほうがましだ
だけどお金は
本当になくなりつつある
早く
なんとかなってほしい